電話対応を効率化する|受付1人の整備工場・板金工場・車販店でできる5つのこと

整備工場の受付は、電話だけをしているわけではありません。来店したお客様の対応、見積書や請求書の作成、部品の発注、代車の段取り。その合間に電話が鳴ります。しかも何度も。1本の電話は数分でも、作業が途切れるたびに元の仕事に戻る時間がかかり、夕方には「今日は電話ばかりだった」となりがちです。この記事では、受付が1人、あるいは整備士や営業が電話を兼ねている小さな整備工場と中古車販売店を想定して、電話対応を効率化する方法を5つ紹介します。特別な道具が無くても今日から始められるものが中心です。
電話対応の効率化とは何を減らすことか
電話対応の効率化とは、電話の本数を無理に減らすことでも、通話を早く切り上げることでもありません。1本の電話にかかる手間のうち、お客様のためにならない部分を減らすことです。手間は、出る前、通話中、通話後の3つに分けると見えやすくなります。出る前の手間は、相手が誰か分からないまま出て、名前を聞き、台帳を探す時間です。通話中の手間は、聞き漏らしによる聞き直しや、答えを調べるために待たせる時間です。通話後の手間は、伝言を書いて渡す、折り返しを忘れないように覚えておく、といった作業です。整備工場の受付なら、1日に20本の電話があれば、それぞれで1〜2分の「探す」「聞き直す」が積み重なります。効率化とは、この3か所を1つずつ削る作業です。
| 段階 | よくある手間 | 減らし方の例 |
|---|---|---|
| 出る前 | 誰からか分からない、作業の手を止める | 相手が分かる仕組み、出る人を決める |
| 通話中 | 名前の聞き直し、台帳探し、答えを調べる | 聞く項目を決める、答えを用意しておく |
| 通話後 | 伝言を書いて渡す、折り返しを覚えておく | 伝言の置き場所を1か所にする |
電話対応を効率化する5つの方法
電話対応を効率化する方法は、聞く項目を決める、よくある質問の答えを用意する、電話の多い時間を知る、伝言と折り返しの置き場所を1つにする、出る前に相手が分かるようにする、の5つです。上の3つは紙とペンだけで始められ、費用もかかりません。4つ目は、紙で始めてもよいですが、スタッフが2人以上なら共有できる仕組みのほうが続きます。5つ目は電話の仕組みに手を入れる方法で、費用はかかりますが、効き目は出る前から通話後まで全体に及びます。どれか1つだけを選ぶなら、受付の困りごとに一番近いものから始めてください。聞き直しが多いなら1つ目、同じ質問ばかりなら2つ目、伝言の紛失が多いなら4つ目、という選び方です。順に見ていきます。
1. 聞く項目と言い回しを決める
電話を受けたときに聞く項目を、店で決めて紙に書いておきます。整備工場なら、名前、電話番号、車名、ナンバーの下4桁、用件、希望の日時の6つが基本です。順番も決めます。聞き漏らしが減り、新人でも同じ受け方ができます。最初の言い方も決めておきます。たとえば「お電話ありがとうございます。○○自動車、受付の山田でございます」。名前を聞くときは「恐れ入りますが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか」、車を確かめるときは「お車の名前と、ナンバーの下4桁を教えていただけますか」と、型を作っておけば迷いません。
2. よくある問い合わせの答えを先に用意する
営業時間、定休日、店の場所、車検の費用の目安、代車の有無、支払い方法。こうした質問は毎週のように繰り返されます。答えを1枚の紙にまとめ、受付の電話の横に貼っておくと、調べるために保留にする時間が減ります。同じ内容をホームページや地図アプリの店舗情報に載せておけば、そもそも電話をかけなくても分かるお客様が増えます。車検の費用のように車種で変わるものは、「軽自動車でおよそ○円から、詳しくはお見積りします」のような答え方まで決めておくと、受付が金額で迷わずに済みます。
3. 電話が集中する時間を知る
1週間だけ、電話が鳴った時刻を正の字で記録してみてください。多くの店で、開店直後や昼休み明け、夕方の閉店前に電話が集まっているのが分かるはずです。集中する時間が分かれば、その時間には受付に来客の予定を入れない、整備士が1人電話に出られるようにする、こちらからかける電話は空いている時間に回す、といった手が打てます。車検の案内はがきを出した翌週や、連休の前後も電話が増えます。案内の発送日を少しずらすだけでも、電話の山を低くできます。
4. 伝言と折り返しの置き場所を1か所にする
伝言メモが受付の机、工場のホワイトボード、スタッフの携帯のメッセージに散らばっていると、誰かが見落とします。伝言と折り返しの予定は、置き場所を1か所に決めてください。紙なら、受付の決まった場所にクリップボードを1つ置き、伝言はそこにだけ挟みます。済んだら線で消す。これだけです。書く項目は、受けた日時、相手の名前と番号、用件、折り返しが必要か、受けた人の5つで足ります。スタッフが2人以上いる店なら、パソコンで共有できる形のほうが、工場にいる人も見られて便利です。
5. 出る前に相手が分かるようにする
電話に出る前に相手の名前が分かれば、「どちら様でしょうか」と聞く手間も、名前を聞いてから台帳を探す手間も無くなります。番号表示だけでも、よく電話をくれるお客様なら覚えていることがありますが、全員の番号を覚えるのは無理です。番号を顧客の名前に置き換えて画面に出すのが、CTIと呼ばれる仕組みです。費用がかかる方法なので、電話の本数が多く、常連のお客様からの電話が中心の店ほど元が取れます。次の節で詳しく触れます。
受付1人の整備工場・板金工場・車販店で起きる電話の場面
受付が1人の整備工場や板金工場、中古車販売店では、電話の手間が特定の場面に集中します。朝の開店直後には、前日の夜や定休日に電話が通じなかったお客様からの電話が重なります。車検の多い月には、予約の電話と、案内はがきを見たお客様の問い合わせが同じ時間に鳴ります。受付が来店のお客様と話している最中に電話が鳴れば、工場の整備士が手を洗って出ることになり、作業が止まります。昼休みに受付が席を外していると、整備士は誰からの電話か分からないまま出て、伝言を受けることになります。こうした場面では、出た人が相手を知らない、用件を聞いても答えが分からない、伝言が受付に届かない、の3つが重なりがちです。5つの方法のうち、どれを先に入れるかは、この3つのどれが一番多いかで決まります。
- 開店直後:定休日や夜間に通じなかったお客様の電話が重なる
- 車検の多い月:予約と問い合わせが同じ時間に集中する
- 来客中:整備士が作業を止めて電話に出る
- 昼休み:誰からの電話か分からないまま伝言を受ける
- 閉店前:作業完了や納車の連絡が集まる
電話に出る前に、お客様が分かる。デジクラは月額9,800円~(税別・別途初期費用)
日本カーネット株式会社 03-5256-7877(平日 9:00〜12:00/13:00〜18:00)
出る前に誰からか分かれば省ける手間
出る前に誰からの電話か分かれば、名前を聞く、台帳を探す、前回の話を思い出す、の3つの手間がまとめて省けます。日本カーネットが自動車整備・板金・販売業の会社向けに提供するCTI「デジクラ」は、電話が鳴ると同時に、パソコンやタブレットのブラウザへお客様の名前と前回までのメモ、前回の着信日を出します。受付が1人でも、工場のタブレットで同じ着信を見られるので、整備士は誰からの電話かを見てから出るかどうかを決められます。休日や夜間、話し中の着信も一覧に残るため、開店直後に誰へかけ直すかを順番に決められます。かけ直しが必要な電話に印を付ける折り返しフラグもあり、伝言の置き場所を1か所にする方法を、そのまま画面で実現できます。月額9,800円~(税別、別途初期費用)で、これらは標準機能に含まれます。
機能の全体はCTIシステムの機能一覧に、料金の内訳とほかの方法との比べ方はクラウドCTIの料金と選び方にまとめています。かけ直しの印の使い方は折り返しフラグの記事で説明しています。
整備システム・整備ソフト DREAM POWER(ドリームパワー)を使っている会社なら、DREAM POWERに登録したお客様の顧客名と電話番号がそのまま着信画面に出るので、電話のために台帳を作り直す必要はありません。
電話対応の効率化でやってはいけないこと
効率化を急ぐと、お客様の側から見て不便になる方法を選んでしまうことがあります。避けたいのは、通話を早く切り上げようとして話をさえぎること、出られない時間をすべて留守番電話に任せること、営業電話を嫌って知らない番号を全部拒否すること、の3つです。話をさえぎると、聞き漏らしが増え、結局かけ直しの手間が増えます。留守番電話は便利ですが、メッセージを残さずに切るお客様も多く、誰からの電話だったか分からないまま終わります。知らない番号の着信を全部拒否すると、初めてのお客様からの問い合わせまで逃します。初めての電話は、新しいお客様の入口です。効率化は「お客様の手間を増やさずに、店の手間を減らす」範囲で考えてください。
営業時間外の電話の扱い方
営業時間外の電話を減らしたい場合は、留守番電話の応答で営業時間と定休日をはっきり伝え、急ぎの用件の連絡先があれば添えます。たとえば「お電話ありがとうございます。○○自動車です。本日の営業は終了しました。営業時間は平日9時から18時、定休日は日曜と祝日です。お名前とお電話番号を残していただければ、翌営業日にご連絡します」。翌朝は、メッセージの有無にかかわらず着信のあった番号を確かめ、かけ直す順番を決めます。
電話代行や自動音声を使う前に
電話を外部の代行に任せる方法や、自動音声で用件を振り分ける方法もあります。ただ、整備工場や板金工場、中古車販売店の電話は、車の状態や予約の空き具合など、店の中の人でないと答えられない内容が多く、代行に任せても結局折り返しになりがちです。使うなら、営業時間外や昼休みのように、受付が完全にいない時間だけに絞ると、お客様の手間を増やさずに済みます。
よくある質問
Q. 電話対応の効率化にはまず何をすればいいですか?
1週間だけ、電話の本数と時刻、用件を簡単に記録してください。同じ質問が多いなら答えを用意する、特定の時間に集中するなら人の配置を変える、と打つ手が数字から決まります。費用をかけるのは、その後で十分です。
Q. 会社の電話対応が悪いとどうなりますか?
整備工場や板金工場、中古車販売店では、電話が最初の接点になることが多く、待たされた、名前を何度も聞かれた、折り返しが来なかった、といった体験は来店前の印象を下げます。特に初めてのお客様は、電話の印象で別の店に問い合わせ直すことがあります。
Q. 受付を1人増やすのと、仕組みを入れるのはどちらがよいですか?
電話の本数そのものが多すぎて1人では物理的に取り切れないなら、人を増やすのが先です。本数はさばけているのに、聞き直しや伝言の行き違いで時間を取られているなら、聞く項目を決める、置き場所を1か所にする、出る前に相手が分かるようにする、の順で仕組みを整えるほうが費用を抑えられます。
Q. 電話対応のコツを新人に教えるには?
最初の名乗り方、名前の聞き方、車の確かめ方、保留にするときの言い方の4つを型にして紙に書き、受付の電話の横に置いてください。型があれば、新人でも同じ受け方ができ、慣れるまでの時間が短くなります。
電話に出る前に、お客様が分かる。デジクラは月額9,800円~(税別・別途初期費用)
日本カーネット株式会社 03-5256-7877(平日 9:00〜12:00/13:00〜18:00)

