クレーム電話の対応|整備・車販で多い苦情と最初の一言の例文、しつこい電話の線引き

クレームの電話は、最初の1分でその後の流れがほぼ決まります。最初に出た人の一言でお客様が落ち着くこともあれば、逆に火に油を注ぐこともあります。整備工場や板金工場、中古車販売店では、「修理したのにまた同じ音がする」「見積より高い」といった、車とお金に関わる苦情が多く、受付が一人で受け止めるには重い電話になりがちです。

この記事では、クレーム電話の対応の基本の順番と最初の一言の例文、整備と車販で多い苦情ごとに聞くこと、しつこい電話や長引く電話の線引きを紹介します。記録の残し方より手前の、電話に出た瞬間の動き方に絞りました。

クレーム電話の対応の基本|最初の一言と順番

クレーム電話の対応の基本は、謝る、聞く、確かめる、約束する、の4つの順番を守ることです。最初に謝るのは、お客様に不快な思いをさせたことに対してで、原因がまだ分からない段階で「こちらのミスです」と認める必要はありません。「ご不便をおかけして申し訳ございません」のように、気持ちに対して謝ります。次に、お客様の話を最後まで遮らずに聞きます。途中で言い訳や説明を挟むと、お客様は「話を聞いてもらえない」と感じて声が大きくなります。聞き終えたら、車、日時、症状などの事実を一つずつ確かめます。最後に、誰が、いつまでに、何をするかを約束して電話を終えます。その場で解決策を出す必要はありません。受付がやるのは、責任者に正確に渡すことです。

  1. 謝る:「ご不便をおかけして、大変申し訳ございません。」
  2. 聞く:相づちを打ちながら、最後まで話してもらいます。
  3. 確かめる:「確認させてください。○日にお預かりしたノートで、昨日からまた同じ音がする、ということですね。」
  4. 約束する:「工場長の田中から、本日15時までにお電話いたします。」

クレーム電話の最初の一言の例文

クレーム電話の最初の一言は、お客様が怒っている理由をまだ知らない段階で口にする言葉です。だからこそ、どんな苦情にも使える形にしておく必要があります。使えるのは、気持ちに対する謝罪、話してくれたことへのお礼、すぐに対応する姿勢を示す言葉の3種類です。「ご連絡いただきありがとうございます」は意外に思えるかもしれませんが、黙って他の店に移るお客様も多い中で、電話をくれたこと自体は店にとってありがたいことです。逆に避けたいのは、「そんなはずはありません」「担当がいないので分かりません」「規則ですので」の3つです。どれもお客様の言葉を否定する響きがあり、話がこじれます。担当が不在でも「担当がおりませんので、私が詳しく伺います」と言い換えれば、同じ事実でも印象は変わります。

  • 「ご不便をおかけして、大変申し訳ございません。」
  • 「ご連絡いただき、ありがとうございます。詳しくお聞かせいただけますでしょうか。」
  • 「お急ぎのところ申し訳ございません。すぐに確認いたします。」
  • 「担当がおりませんので、私が詳しく伺います。担当から必ずご連絡いたします。」
  • 「お話を伺ったうえで、責任者に代わってもよろしいでしょうか。」

整備・車販で多いクレームと聞くこと

整備工場と中古車販売店で多いクレームは、整備の後の不具合、見積と請求の金額の違い、約束した日に仕上がらない、代車のトラブル、購入した中古車の故障、預けた車に傷が付いた、電話の折り返しが来ない、の7つにほぼ収まります。どれも、確かめるべき事実が苦情の種類ごとに決まっています。整備の後の不具合なら、どの作業の後で、いつから、どんな症状か。金額の違いなら、見積書と請求書のどちらを手元に持っているか、どの項目が違うのか。この「苦情ごとに聞くこと」を表にしておくと、受付は動揺していても聞き漏らしません。また、車が走れない状態なのか、安全に関わる症状なのかは、どの苦情でも最初に確かめます。ブレーキの効きやハンドルの違和感なら、謝罪より先に「今は運転を控えてください」と伝えることもあります。

苦情の種類確かめること受付が添える一言
整備の後に同じ症状が出たどの作業の後か、いつから、どんな症状か、走れるか「すぐに点検させていただきます。」
見積より請求が高いどの書類を見ているか、違う項目と金額「明細を確認し、担当からご説明いたします。」
約束の日に仕上がらない約束していた日時、その日に必要な事情「進み具合を確かめて、すぐに折り返します。」
代車のトラブル代車の車名、何が起きたか、けがの有無「まず安全な場所に停めていただけますか。」
購入した中古車の故障納車日、症状、保証の書類が手元にあるか「保証の内容とあわせて確認いたします。」
預けた車に傷が付いた傷の場所と大きさ、写真があるか「お写真をお送りいただけますでしょうか。」
折り返しが来ないいつ、誰に、何の件で電話したか「お待たせして申し訳ございません。すぐに担当に確認します。」

表のほかに多いのが、電話口の対応そのものへの苦情です。「前に出た人の言い方がきつかった」と言われたら、言い訳をせずに謝り、誰がいつ出た電話かを確かめて店長に伝えます。店の中で誰が悪かったかを電話口で話す必要はありません。

中古車の故障は、保証の範囲かどうかで対応が大きく変わります。受付がその場で「保証で直ります」「保証の対象外です」と言い切るのは避けてください。範囲の判断は契約書を見てから責任者が伝えます。

電話に出る前に、お客様が分かる。デジクラは月額9,800円~(税別・別途初期費用)

日本カーネット株式会社 03-5256-7877(平日 9:00〜12:00/13:00〜18:00)

しつこいクレーム電話・長引く電話の線引き

しつこいクレーム電話や長引く電話には、店として線引きを決めておくことが受付を守ります。目安になるのは、同じ要求を30分以上繰り返す、大声や暴言が続く、できないと伝えた要求を繰り返す、謝罪の言葉を何度も求める、といった状態です。こうなったら、受付は一人で対応を続けず、責任者に代わります。代わるときは「この件は責任者がお答えします」と伝え、受付が謝り続けて時間を延ばさないことが大切です。責任者も、電話でその場の結論を出さず、「確認して、明日の正午までにお返事します」のように時間を区切ります。厚生労働省はカスタマーハラスメントへの企業向けの対策マニュアルを公開しており、社内の方針を決めるときの参考になります。どこまでを正当な苦情として受け、どこからを断るかは、受付ではなく経営者が決めることです。

  • 受付は1回謝ったら、同じ謝罪を繰り返さない
  • 話が30分を超えたら、責任者に代わる
  • 金額や作業のやり直しは、電話の中で約束しない
  • 暴言が続くときは「このままではお話を続けられません」と伝えて、責任者の判断を仰ぐ

前回の話を知らないまま出ないための準備

クレームの電話がこじれる大きな原因の一つは、前回の話を知らない人が出ることです。お客様は「先週も電話したのに」と思っています。そこへ「どちら様でしょうか」「どのようなご用件でしょうか」と初めての人のように聞かれれば、怒りが増すのは当然です。逆に、電話に出る前に誰からの電話で、前回どんな話をしたかが分かっていれば、最初の一言から「山田様、先日のブレーキの件でご心配をおかけしております」と切り出せます。最初の一言が変われば、お客様の受け止め方も変わります。出る前の数秒で、前回の経緯を頭に入れておけるかどうかが分かれ目です。心の準備があるだけで、最初の一言は落ち着いたものになります。

これを実現するのがCTIと呼ばれる仕組みです。日本カーネットのデジクラは、電話の着信と同時に、登録済みのお客様の名前と前回の着信日、前回の対応メモをパソコンやタブレットに表示します(着信時に顧客情報を表示する機能)。クレームの電話を受けたら、その内容と約束したことを着信ごとのメモに残しておけば、次に誰が出ても同じ話から始められます(顧客対応メモの使い方)。着信に「クレーム対応中」のような印を付けておくと、受付は出る前に心構えができます。会話の中身を詳しく残す方法はおもてなし接客管理システムのサイトで扱っています。顧客台帳を電話のために別に作る必要はなく、DREAM POWER(ドリームパワー)を使っている店なら、登録済みのお客様の顧客名と電話番号がそのまま着信画面に出ます(DREAM POWER との連携)。

よくある質問

Q. クレーム電話で、最初に謝ると店の非を認めたことになりませんか?

「ご不便をおかけして申し訳ございません」は、お客様が不快な思いをしたことへの謝罪で、原因が店にあると認める言葉ではありません。原因が分かるまでは、作業のミスを認める言い方は避け、事実を確かめてから責任者が説明します。

Q. クレーム電話はその場で解決したほうがいいですか?

受付がその場で解決しようとする必要はありません。事実を確かめ、誰がいつまでに連絡するかを約束して電話を終えるほうが、間違った約束をせずに済みます。金額や作業のやり直しは、責任者が確認してから伝えます。

Q. クレームの電話を受けた後、受付は何をすればいいですか?

電話を切ったらすぐに、お客様の名前、車、苦情の内容、約束したこと(誰がいつまでに何をするか)を書いて責任者に渡します。時間がたつと細部を忘れます。約束の時刻が近づいたら、責任者が連絡したかどうかも確かめておくと、二度目の苦情を防げます。

Q. 担当者が休みの日にクレームの電話が来たらどうしますか?

受付か店長が話を詳しく聞き、「担当が明日出社しましたら、午前中にお電話いたします」と約束します。担当者の休みを理由に話を聞かずに切るのは避けてください。聞いた内容は、担当者が出社してすぐ読める場所に残しておきます。

電話に出る前に、お客様が分かる。デジクラは月額9,800円~(税別・別途初期費用)

日本カーネット株式会社 03-5256-7877(平日 9:00〜12:00/13:00〜18:00)