電話対応が苦手な受付スタッフへ|整備工場で電話が怖いをなくす準備とコツ

電話が鳴るたびに体がこわばる。受話器を取る前に、誰か他の人が出てくれないかと待ってしまう。電話対応が苦手だと感じている人は少なくありません。整備工場の受付は特にそうで、車の専門的な質問、急ぎの故障の電話、工場の音でよく聞こえない電話と、緊張する材料がそろっています。

苦手な気持ちは、性格の問題というより準備の問題であることがほとんどです。この記事では、電話対応が苦手になる理由を分けて考え、受付スタッフ本人ができる準備と、店長が用意できる仕組みを紹介します。

電話対応が苦手になる理由

電話対応が苦手になる理由は、大きく分けて5つあります。相手の顔が見えないこと、出るまで誰からの電話か分からないこと、何を聞かれるか予想できないこと、周りの人に自分の話し方を聞かれていること、話すスピードにメモが追いつかないことです。このうち一番大きいのが「出るまで誰か分からない」で、お客様なのか、取引先なのか、営業電話なのか、怒っている人なのかが分からないまま話し始めなければなりません。対面の接客なら、相手の表情を見てから話し方を決められます。電話ではそれができないので、最初の数秒の緊張が強くなります。整備工場の受付では、ここに「車のことを聞かれても答えられない」という不安が重なります。理由を分けて考えると、準備で減らせるものと、仕組みで減らせるものがあると分かります。全部を気持ちで乗り越える必要はありません。

苦手の理由減らし方
誰からの電話か分からない出る前に相手が分かる仕組みを使う
何を聞かれるか分からない用件ごとの聞く項目と答え方を紙にしておく
専門的な質問に答えられない答えなくてよい質問と、回す先を決めておく
周りに聞かれている例文どおりに話せば、聞かれても困らない
メモが追いつかないメモ用紙の項目を決めておき、埋めるだけにする

電話対応が苦手な人がまず用意する準備

電話対応が苦手な人がまず用意したいのは、最初の一言の紙、用件ごとの聞く項目の表、項目を印刷したメモ用紙、困ったときの逃げ道の一言、の4つです。どれも紙1枚で作れます。中でも効き目が大きいのは逃げ道の一言で、「確認して、こちらからお電話いたします」と言えば、答えられない質問が来てもその場で答える必要はなくなります。受付は何でも知っている必要はありません。分からないことを分からないまま受けて、知っている人に回せば十分です。この一言が使えると分かるだけで、電話に出る怖さはかなり軽くなります。あとは最初の一言を声に出して練習しておくことです。出だしがすらすら言えると、その後の会話も落ち着いて進みます。準備は1日で終わります。

最初の一言の紙

「お電話ありがとうございます。○○自動車、受付の佐藤でございます。」を大きな字で書き、電話の正面に貼ります。毎回これを読むだけで出だしがそろいます。

用件ごとの聞く項目の表

入庫予約なら希望日と作業内容、車検なら満了日と代車の要否、というように、用件ごとに聞くことを表にしておきます。表の作り方は整備工場・板金工場・車販店の電話対応マニュアルで紹介しています。

項目を印刷したメモ用紙

日時、お名前、電話番号、車、用件、次にやること、の欄があるメモ用紙を用意します。欄があれば、何を聞き忘れたかがひと目で分かります。

逃げ道の一言

  • 「確認して、こちらからお電話いたします。」
  • 「担当の者から折り返しご連絡いたします。」
  • 「恐れ入ります、もう一度お願いできますでしょうか。」

声に出す練習

準備ができたら、空いている時間に一人で声に出して読みます。最初の一言、復唱、締めの3か所だけで十分です。可能なら先輩にお客様役を頼み、入庫予約の電話を1本、通しでやってみましょう。1回やるだけで本番の緊張はずいぶん違います。

電話対応が上手い人がやっていること

電話対応が上手い人に共通しているのは、話し方の上手さより「型」を持っていることです。名乗る、相手を確かめる、用件を聞く、復唱する、次にやることを伝える、という順番がいつも同じなので、どんな電話が来ても次に何を言うかで迷いません。復唱が丁寧なのも特徴で、「11月12日水曜日の午前ですね」と曜日まで添えて確かめるため、聞き間違いがほとんど起きません。もう一つは、答えられないことを無理に答えないことです。修理代の見込みを聞かれても、「点検してみないと分かりかねますので、担当からご連絡します」と言い切ります。上手い人ほど、その場で全部を片付けようとしていません。声の大きさや明るさも大事ですが、それは型が身に付いた後で自然に付いてきます。最初から真似るなら、型と復唱の2つです。

  • いつも同じ順番で話を進める
  • 日付には曜日を、金額や時間には単位を添えて復唱する
  • 答えられないことは「確認して折り返します」で受ける
  • 電話を切る前に、次に誰が何をするかを言葉にする
  • 切った後すぐにメモを清書し、担当者に渡す

電話に出る前に、お客様が分かる。デジクラは月額9,800円~(税別・別途初期費用)

日本カーネット株式会社 03-5256-7877(平日 9:00〜12:00/13:00〜18:00)

整備工場の受付で電話が怖いと感じる場面と対処

整備工場の受付で電話が怖いと感じやすいのは、車の専門的なことを聞かれる場面、故障や事故で慌てているお客様の電話、怒っている電話、工場の音で声が聞き取れない電話の4つです。どの場面にも、受付だけで抱えないという共通の対処があります。専門的な質問は整備士に、怒っている電話は店長に回すと店で決めておけば、受付は「担当に代わります」と言うだけで済みます。故障や事故の電話は、まず「お客様にけががないか」「車が走れる状態か」「今どこにいるか」の3つだけを聞き、すぐ整備士か店長に替わります。受付がその場で修理の段取りを決める必要はありません。聞き取れない電話は、聞き取れないと正直に伝えて聞き直すのが一番の近道です。何度聞き直しても失礼にはなりません。

場面受付が言うこと回す先
「この音は何ですか」「いくらかかりますか」「点検してみないと分かりかねますので、担当からご連絡します。」整備士
故障や事故で慌てている「おけがはありませんか。今どちらにいらっしゃいますか。」整備士、店長
怒っている「ご迷惑をおかけして申し訳ございません。責任者に代わります。」店長
工場の音で聞き取れない「お電話が遠いようです。もう一度お願いできますか。」受付で対応

怒っている電話の最初の一言はクレーム電話の対応に、聞き取れないときの確かめ方は電話の聞き間違いを防ぐ確認のしかたに例文をまとめています。

出る前に相手が分かる電話|店長が用意できる仕組み

受付スタッフの準備に加えて、店長が用意できる仕組みもあります。苦手の理由で一番大きかった「出るまで誰からの電話か分からない」をなくす仕組みで、CTIと呼ばれます。電話が鳴った瞬間に、パソコンやタブレットの画面に「誰からの電話か」が出るので、受付は相手を知ったうえで受話器を取れます。日本カーネットのデジクラは、登録済みのお客様の名前、前回の着信日、前回の対応メモを着信と同時に表示します。「山田様、先週の見積の件」と分かって出る電話と、何も分からずに出る電話では、緊張の度合いがまるで違います。画面の見え方は着信時に顧客情報を表示する機能で紹介しています。

電話の後は、受けた内容を着信ごとにメモとして残せます。次に同じお客様から電話が来たとき、誰が出ても前回のメモが画面に出るので、「前に話したんだけど」と言われて慌てることも減ります(顧客対応メモの使い方)。店で業務システム DREAM POWER(ドリームパワー)を使っていれば、登録してあるお客様の顧客名と電話番号は着信画面に出ます。

よくある質問

Q. 電話対応が苦手で仕事を辞めたいと思っています。慣れるものですか?

多くの人は、型と準備がそろうと1〜2か月で落ち着いて出られるようになります。苦手の原因が「何を聞けばいいか分からない」「答えられない質問が怖い」なら、用件ごとの表と逃げ道の一言で減らせます。一人で抱えず、まず店長に「答えなくてよい質問」と「回す先」を決めてもらうよう相談してみてください。

Q. 電話に出るのが遅れてしまいます。何コールまでに出ればいいですか?

3コール以内が目安です。4コール以上かかったときは「お待たせいたしました」と添えれば失礼にはなりません。焦って出て言葉に詰まるより、一呼吸おいて最初の一言の紙を見てから出るほうが、結果として落ち着いた対応になります。

Q. 周りの人に話し方を聞かれるのが恥ずかしいです。どうすればいいですか?

決めた例文どおりに話していれば、聞かれて困ることはありません。気になるうちは、例文の紙を見ながら話してかまいません。周りの先輩も、最初は同じように紙を見ていたはずです。

Q. 新人に電話対応を教えるとき、店長は何から始めればいいですか?

最初の一言と、答えなくてよい質問の一覧を渡すところから始めます。そのうえで1週間ほど先輩の電話を横で聞いてもらい、入庫予約のように聞く項目が決まった電話から一人で受けてもらうと、無理なく慣れていきます。

電話に出る前に、お客様が分かる。デジクラは月額9,800円~(税別・別途初期費用)

日本カーネット株式会社 03-5256-7877(平日 9:00〜12:00/13:00〜18:00)