電話の取り次ぎのマナーと言い方|工場にいる整備士へ取り次ぐときのコツ

整備工場や板金工場の電話の取り次ぎは、事務所の中で完結する会社の取り次ぎより手間がかかります。担当の整備士はリフトの下にいたり、試運転で外に出ていたりして、受話器を渡せる場所にいないことが多いからです。探すだけで1分かかることもあります。お客様を待たせている間に工場を探し回り、戻ってきたら電話が切れていた、という経験のある受付の方も多いでしょう。
この記事では、電話の取り次ぎの基本の流れとマナー、お客様と担当者それぞれにかける言葉の例文、工場にいる整備士へ取り次ぐときのコツを紹介します。
電話の取り次ぎとは|基本の流れとマナー
電話の取り次ぎとは、受けた電話を、お客様が話したい相手や用件に合った担当者へつなぐことです。基本の流れは、相手の名前と用件を確かめる、保留にする、担当者に「誰から、何の件か」を伝える、担当者に電話を渡す、の4段階になります。マナーで大事なのは3つ。1つ目は、保留の前に必ず「少々お待ちください」と断ること。2つ目は、保留中の声がお客様に聞こえないよう、保留ボタンを押してから担当者を呼ぶこと。3つ目は、保留を30秒以上続けないことです。30秒を超えそうなら一度電話口に戻り、「担当が作業中のため、こちらから折り返してもよろしいでしょうか」と聞きます。伝える中身が大事です。担当者に伝える内容がそろっていれば、担当者は電話に出た瞬間から用件に入れます。お客様に同じ話を2回させない。目的はそこです。
- 相手を確かめる:「○○様でいらっしゃいますね。」
- 用件を聞く:「どのようなご用件でしょうか。」
- 保留にする:「担当の田中にお繋ぎしますので、少々お待ちください。」
- 担当者に伝える:「山田様から、ノートの車検のお見積の件です。」
- 渡す:担当者が出たのを確かめてから受話器を置きます。
取り次ぎでやってはいけないこと
- 保留にせず、受話器を手でふさいで担当者を呼ぶ。手でふさいでも声は案外聞こえます。
- 「田中さーん、山田さんから電話」と大声で呼ぶ。お客様に丸聞こえです。
- 用件を聞かずに回し、担当者に最初から聞き直させる。
- 担当者が出たか確かめないまま、自分の受話器を置く。
忙しい日ほど出る癖です。
電話の取り次ぎの言い方|例文
電話の取り次ぎの言い方は、お客様に向けた言葉と、社内の担当者に向けた言葉の2種類に分けて覚えると混乱しません。お客様には「担当の○○にお繋ぎします」と自社の人を呼び捨てにし、担当者には「○○様から、△△の件でお電話です」と、相手と用件を一息で伝えます。担当者が出られないときは、出られない理由を細かく説明する必要はありません。「ただいま作業中です」「あいにく外出しております」。これで十分です。そのうえで、いつ誰から連絡するかをお客様に選んでもらいます。整備工場で多いのは「作業中」です。作業がいつ終わるかを受付が知らないまま「すぐ戻ります」と言ってしまうと約束が守れなくなるので、時間の約束は担当者に確かめてからにします。
お客様に向けて
- 「担当の田中にお繋ぎいたします。少々お待ちください。」
- 「お待たせいたしました。ただいま田中に代わります。」
- 「あいにく田中はただいま作業中です。終わりしだい、田中からお電話いたしますが、よろしいでしょうか。」
- 「本日田中は休みをいただいております。代わりに私がご用件を承ってもよろしいでしょうか。」
担当者に向けて
- 「田中さん、山田様から外線1番です。ノートの車検のお見積の件です。」
- 「山田様から、代車の返却日を延ばしたいというお電話です。今出られますか。」
- 「15時までに折り返すとお伝えしています。お願いします。」
社内で「さん」を付けるかどうかは、店の決まりに合わせてかまいません。守るのは一つ。お客様に聞こえる場面では呼び捨てにします。言い回しの一覧は電話対応の言葉遣い一覧も参考にしてください。
工場にいる整備士へ電話を取り次ぐときのコツ
工場にいる整備士へ電話を取り次ぐときのコツは、呼びに行く前に「今すぐ出る必要がある電話か」を受付で決めることです。整備士は忙しい。リフトで車を上げていたり、ブレーキを分解していたりして、すぐには手を離せません。作業を止めて電話に出てもらうのは、故障や事故で車が動かない、作業の承諾をもらうために整備士の説明が要る、といった急ぎの電話に絞ります。それ以外は「作業が終わりしだい、本人から折り返します」と受け、メモを整備士の目に入る場所に置くほうが、お客様も整備士も待たずに済みます。どの電話を急ぎとするかは受付が一人で判断しにくいので、店長と整備士で「すぐ呼ぶ電話」の一覧を決めておきましょう。決めてあれば迷いません。たとえば次のような電話が「すぐ呼ぶ電話」の候補になります。
- 走れない、警告灯が点いた、事故にあったという電話
- 作業中の車について、追加の整備を進めてよいかの返事
- 今日引き取りに来るお客様からの到着時刻の連絡
- 部品商からの、在庫がない、品番が違うという連絡
呼びに行く前に用件を一文にまとめる
工場はうるさい。長い説明は聞き取れません。「山田様、ノート、見積の返事、急ぎではない」のように、お客様の名前、車、用件、急ぎかどうかを一文にまとめてから呼びに行きます。
呼び出しの方法を決めておく
方法はいろいろです。内線の子機を工場に置く、工場に呼び出し用のチャイムやランプを付ける、ホワイトボードに書く、と店によって方法はさまざまです。方法が決まっていないと、受付が工場を探し回る時間がそのままお客様の待ち時間になります。
戻れないときは電話口へ先に戻る
整備士がすぐ出られないと分かったら、整備士の返事を待たずにお客様のところへ戻り、折り返しを約束します。待たせるより、約束する。お客様にとっては「15時までにお電話します」と言われるほうが安心です。
電話に出る前に、お客様が分かる。デジクラは月額9,800円~(税別・別途初期費用)
日本カーネット株式会社 03-5256-7877(平日 9:00〜12:00/13:00〜18:00)
電話の取り次ぎに時間がかかる理由と減らし方
電話の取り次ぎに時間がかかる理由は、相手が誰かを特定する時間、担当者を探す時間、担当者が用件を聞き直す時間の3つに分けられます。整備工場で一番長いのは担当者を探す時間ですが、意外と見落とされているのが最初の「誰か」を特定する時間です。名字だけを名乗るお客様は多く、同じ名字の常連が何人もいる店では、「どちらの山田様でしょうか」と聞き直すところから始まります。そこから車を聞く。担当者を思い出す。ようやく保留です。減らし方は単純で、3つの時間それぞれに手を打ちます。担当者を探す時間は呼び出し方法を決めれば縮み、聞き直しの時間は用件を一文で伝えれば縮みます。残る「誰か」の特定は、電話に出る前に相手が分かれば丸ごとなくなります。
出る前に誰宛ての電話か分かる取り次ぎ
電話が鳴った時点で、パソコンやタブレットの画面に「誰からの電話か」が出ていれば、取り次ぎの最初の手間は省けます。CTIと呼ばれる仕組みです。日本カーネットのデジクラは、着信と同時に登録済みのお客様の名前と、前回の対応メモをブラウザに表示します。前回のメモに「ノートの車検見積、担当田中」と書いてあれば、受付は電話に出る前に「田中に回す電話だろう」と見当を付けられます。詳しくは着信時に顧客情報を表示する機能をご覧ください。受付は電話に出る前から、誰に回すかの当たりを付けられます。整備士が工場で同じ画面を見られれば、呼びに行く手間まで省けます。前回のメモに担当者の名前を書いておくのがコツです。
さらに、同じ着信を複数のパソコンやタブレットに同時に表示できるので、工場に置いたタブレットにも同じ画面が出ます。整備士が作業の手を止めずに画面へ目をやり、「これは自分が見積を出した山田様だ」と分かれば、受付が工場まで呼びに行かなくても整備士が工場の子機で自分から出られますし、出られないときも受付に「15時に折り返す」と合図するだけで済みます。工場と受付が離れている店での使い方は複数台のパソコン・タブレットに同時表示する機能で紹介しています。整備・車販の業務システム DREAM POWER に登録したお客様なら、顧客名と電話番号がそのまま着信画面に出るので、電話用に台帳を作り直す手間もかかりません。
よくある質問
Q. 保留はどのくらいまでなら待たせてもいいですか?
30秒が目安です。それ以上かかりそうなら一度電話口に戻り、「もう少しかかりそうですので、こちらから折り返してもよろしいでしょうか」と聞きます。長い保留音は不安のもとです。
Q. 担当者が休みのときは、休みだと伝えていいですか?
「本日は休みをいただいております」と伝えてかまいません。ただし休みの理由や、私用の予定までは言いません。戻る日と、誰がいつ連絡するかをあわせて伝えるとお客様は安心します。
Q. 取り次いだ電話を担当者が受けたくないと言ったら?
よくあります。手が離せない、話す準備ができていない、などの理由です。その場合は無理に渡さず、受付が「担当から折り返します」と受けます。ただ、折り返しの時刻だけは担当者に決めてもらい、その時刻をお客様に伝えてください。受付が勝手に時刻を決めると、守れない約束が生まれます。
Q. お客様が担当者の名前を覚えていないときはどうしますか?
車と用件を聞けば、多くの場合は担当者が分かります。「どのお車の、どのようなご用件でしょうか」と聞き、見積や入庫の記録から担当者を探します。それでも分からなければ、受付が用件を承って折り返します。慌てなくて大丈夫です。
電話に出る前に、お客様が分かる。デジクラは月額9,800円~(税別・別途初期費用)
日本カーネット株式会社 03-5256-7877(平日 9:00〜12:00/13:00〜18:00)

